◇財産分与は4つに分けて考えられます
■精算的財産分与……婚姻中の共有財産の精算のこと。将来、受け取る退職金も財産分与の対象になる。
結婚前からの預貯金、親から相続した財産、贈与された財産は対象外。
■扶養的財産分与……経済的に弱い立場の配偶者に対する自立援助のこと。
基本的には、精算的財産分与や慰謝料に対して請求や期待ができない場合、できたとしてもそれだけでは生活できない場合に、これを補う目的で請求するもの。
■慰謝料的財産分与……離婚による慰謝料のこと。
財産分与に慰謝料が含まれ、精神的な損害に対して十分に補填されている場合は、別途、慰謝料を請求することはできない。
■過去の婚姻費用の精算……婚姻費用の分担のこと。
多くは婚姻中に片付くものだが、どちらかが未払いの場合、財産分与のなかで考慮される場合もある。
◇財産分与の請求の方法は?
財産分与の請求は、家庭裁判所に申し立てるところから始めます。費用は、収入印紙(1200円)、郵便切手(80円×10枚)かかります。そのほかに、「家事調停申立書」「申立人の戸籍謄本」「相手方の戸籍謄本」「不動産の登記簿謄本(未登記なら固定資産評価証明書)」を各1通ずつ必要になります。裁判所によっても必要なものは異なる場合があるので、事前に問い合わせてみましょう。